4/6「ペットロスと向き合う:自分を責めないでいたい」

外はとても晴れている。
絶好のお散歩日和。

けどもはや私には憂鬱な朝が来たとしか思えない程の天気。
いっそ大雨の方が当たり前に気持ちを落ち込ませやすくて逃げられるのに。

晴れを恨んだ。
ベッドから起き上がる気力もなく、ただぼんやりと天井を見つめている。

「モカ…」

思わず呟いてしまう。
でも、返事はない。
モカがいなくなってから、もう2ヶ月が経った。



友人から「ペットロス」という言葉を聞いた。
そうか、これが「ペットロス」なのか。
名前がついただけで、少し気が楽になるかと思ったけど現実は違った。
名前がつくからこそ逃れられない感覚さえ覚えた。


毎日が辛い。
つらいつらいつらい。

仕事も手につかず、色々な予定もすべてキャンセル。
家に帰ってもモカのいない静けさに押しつぶされそうになる。

「どうして…こんなに辛いんだろう…」

モカのお気に入りだったクッションを抱きしめながら、また涙が溢れる。
季節が変わろうとしているけど私の時間はあの時のまま。

「もっと早く気づいていれば…」
「最後にもっと構ってあげればよかった…」

そんな思いが、頭の中をぐるぐると回り続ける。
自分を責める気持ちが、夜と一緒に毎日襲ってくる。


こういうのは「時間が解決してくれるよ」と一般的に言うけど、その言葉さえ心に届かない。
時間ってなに?

むしろ、時間が経つにつれて、モカの存在が薄れていくのが怖い。
モカのことを忘れたくない。
でも、この痛みは・・・・・耐えられないほど大きくなっている。


周りの人は優しく声をかけてくれる。
そりゃそうだ。
ここまで人が変わったようになるのは客観的にみても心配するのは当然だ。


でも、ありがたいけど私を想うその言葉がかえって心を傷つける。
感謝している、ありがとう。
でもまだちょっと辛い、ダメ。

モカの代わりなんていない。
モカを忘れたくない。


ペットロスを経験したことのない人には、この気持ちは分からないんだろうな。
・・・いやペットだけではないか。

愛する存在に触れられないとこういう気持ちになるのか。
そう思うと、さらに孤独感が深まる。


毎日が地獄のようだ。
食事も喉を通らず、夜も眠れない。
厳密には寝ているだろうけど夢と現実を短時間でいったりきたりしている。

モカとの思い出が走馬灯のように駆け巡り、涙が止まらない。

「もう…生きていく自信がない…」

ふと、そんな考えが頭をよぎる。
モカがいない世界で生きていく意味なんてあるのだろうか。



窓の外を見ると、雨がさらに激しくなっている。
まるで私の心を表すかのような、暗く重い空。
雨だけが私の気持ちをわかってくれているみたい。

「モカ…私、もうダメかも…」

そうつぶやきながら、膝を抱えて体を丸める。

この痛みから逃れたい。
でも、モカを忘れたくない。
その葛藤に押しつぶされそうになる。


これから先、どうやってモカのいない日々を過ごしていけばいいのか。
その答えが見つからないまま、静寂に包まれた家の中でただ絶望だけが広がっていく。


深い闇の中で、私はただ泣き続けた。
モカとの10年間の幸せがこんな形で終わってしまうなんて。


もう二度と、あの幸せは戻ってこないのだろうか。

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